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さくらのおと

新参者、3回目のアニバーサリーの先に何を思う

全30公演の新参者ライブが終わった。3つの坂道グループの新規生がそれぞれのステージを10回ずつ行う公演は、1日に2回公演がある日もあり、個人の体力と、それぞれのグループの力を試されるものになった。

新規生とは言っても、すでにグループ本体のメンバーとして活動を始めている乃木坂は少し経路が違う。彼女らは大きな舞台も含めて数々の場数を踏んできた、その片鱗を見せつけた。

まだ別働隊として活動することが多い日向坂三期生にとっては、ツアーが終わり、追加公演の間ということで、非常に難しい準備期間での参加になったのではないだろうか。

櫻坂三期生は加入してまだ1年。最新作で選抜として活動しているメンバーもいるが、場数としてはまだまだこれからというタイミングでのこの企画は、渡りに船だったのかもしれない。

櫻坂にとって新参者は「承認欲求」期間だった。その中で開催された3回目のアニバーサリーライブでは、1期生が卒業し、そしてその後別の1期生の卒業が発表された。櫻坂というグループは、2期生がフロントに立ち、それを1期生が支えていたグループだけども、1期生の卒業は3期生の役割と覚悟をはっきりとさせる力はあったのだろうと思う。

3回目のアニバーサリーでは、Day1でこれまでと卒業を、Day2でこれからを見せるライブになった。Day1で披露された櫻坂3期生パートは、Day2で披露されたこれからの覚悟を秘めた楽曲マモリビトとBACKSパートの披露として昇華された。

その中での櫻坂46新参者は、いろんな感情の中で行われていたに違いない。櫻坂のこれまでの楽曲の中で、ほとんどが始めてパフォーマンスする楽曲であり、そしてそれらはこの3年で初披露された楽曲である。彼女たちも最初は忠実に再現することに気持ちを持ちつつパフォーマンスしていたようだが、千秋楽は正確さよりも感情を表に出して「表現」するようになっていた。

紐を使ったパフォーマンスで知られる「なぜ恋をしてこなかったのだろう」で、紐が絡むアクシデントがあったが、センターの的野美青は紐を使ったパフォーマンスを作り上げることで、場を止めることなくやり切った。

そして、アンコールで締めた後に披露されたのが、ダブルアンコール「語るなら未来を」(欅坂46)である。櫻坂46の継承者(from マモリビト)としての三期生の覚悟を示し、また櫻坂46とは何かを示すにも十分すぎるパフォーマンスだった。

欅坂46の特徴である緑色の空間のなかで踊る経験はきっとそれほど多くもできないだろう。そして「新せ界」で示されたように、櫻の木の根っこには欅坂がいる。一度櫻坂の詩で締めたように、櫻坂46と欅坂46は別のグループだけれども、経験は行き続ける。そのことを、櫻坂46三期生として、ではなく、櫻坂46メンバーとして、強くBuddiesに示した。そういう瞬間だった。

1月には7th Single BACK LIVE!!が開催されることが発表されている。櫻坂三期生としての活動は減っていくことが予想される。新参者は「青春」だったのかもしれない。

来年も春ツアーが開催されると思うが、その前に発表される8th Singleがどうなるのか見守っていきたい。3期生の誰かがセンターをつとめてももう誰も驚かない。そこまで来ている。

そして、そのような動きの中で自らの役割が終わったことを悟る形で1期生は静かに自分たちの人生を歩み始める形で卒業していくのだと思う。緑色の経験と伝説を残して。

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