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さくらのおと

Star over は何を「やり直す」のか

(この記事には 櫻坂46 新せ界の内容も含まれています)

先日、櫻坂46が始めた展示会「新せ界」を見に行った。これまでの衣装や資料などを公開し、”解き明かす”を通じて、鳥居坂・欅坂から続く長い歴史の肯定と、未来への宣言という形でまとまっていたと思う。特に、象徴的に何度も登場する桜の木の根元のディスプレイに欅坂時代の映像が流れ、その外側に最新のパリ遠征の映像が流れる演出は鳥居坂からの一切を背負っていく宣言を感じ、目頭が熱くなった。

「新せ界」で公開された資料の中に、Nobody’s faultの企画書があった。「アベンジャースタイルで見せたい」という文字が書かれたその企画書こそが櫻坂の出発点だったと感じる。「新せ界」の会期中に発売されたBlu-rayには、2022年11月に開催された、2nd Tourファイナルの映像が収められている。2nd Tourのオープニングでは、一期生菅井友香が、4人を花道の先からステージに呼び込むという演出がされていた。この4人こそ、櫻坂がデビューしてから1stアルバム「As you know?」までのフロントを支えてきた、森田ひかる、田村保乃、山﨑天、藤吉夏鈴だった。

欅坂の象徴としての菅井友香が呼び込む、櫻坂のアベンジャー4人。そして最初の楽曲は「条件反射で泣けてくる」。これは、その後の2nd Anniversary Eventで、TAKAHIRO先生の解説があった通り、欅坂時代を強く意識した振り付けになっている(Start over!の特典映像)。

4人を呼び込んだ菅井友香はこのツアーで卒業した。このライブのタイミングで感じたことは記事にまとめてある。

欅坂の末期に入ってきた二期生は2nd Tourを通して東京ドームを含む経験をし、成長した。そう考えるとこの2nd Tourは櫻坂が咲くための大きな意味を持っていた。そして、その意味をファンが理解する「新せ界」までが櫻坂第一章だったのかもしれない。

「新せ界」の展示を見てこれまでの歴史の意味を把握した最後にやってくるのがストアだ。ストアでは、メンバーのポスターなどが購入できる。ここでの注目は三期生。これまで「別働隊」として別の衣装を着て別の活動をしていた三期生が、一期生・二期生と同じデザインのポスターを制作されている。櫻坂第二章は、三期生が一期生・二期生と同じグループとして活動を始める。その宣言として受け取ることができた。

櫻坂第一章の最後にドロップされたシングル「Start over!」。果たして、「やり直す」とは何をやり直すのか。

櫻坂の次のアクションは ZOZOマリンスタジアムでの 3rd Anniversary Live。初のスタジアムライブで櫻坂が何を見せるのか興味深い。ツアーは櫻坂の今を見せる、いわば外向きの活動なのだが、アニバーサリーはコアなファンであるBuddies向けの特別な空間なので、欅坂の曲をやることもあるんじゃないかなと思ったりはしている。